循環器科
CARDIOVASCULAR
循環器科の概要
循環器科は主に心臓と血管の病気を取り扱う診療科です。心臓は血液を全身へ送るポンプの役割を果たしている臓器で、血管はその心臓から送り出された血液を全身に運ぶために体の隅々まで張り巡らされています。心臓病は初期症状では特に飼主様から見て明らかな異常所見は認められないことが多く、中期まで進行すると運動不耐性(運動すると直ぐに息切れする・運動量が低下するなど)・咳・筋力の低下・むくみ(浮腫)などの症状が認められ、飼主様も異常に気づき受診される方が増えます。末期になりますと循環不全を起こし肺水腫による呼吸困難や腹水貯留による腹囲膨満などの症状が認められ、死に至ることも多いことが知られています。
心臓病は比較的中高齢で発症することが多く、犬では飼主様が自宅に帰ってきても若い頃は玄関まで迎えに来てくれたり階段の上り下りなどの運動を普通に行っていたのにその行動が見られなくなったりすることがあります。猫はキャットタワーなどの高いところに登らなくなることがあります。また心臓病の特徴的な所見として食事前や散歩前などの興奮時に咳をすることが多く見かけられます。その様な症状がございましたら直ぐに当院までお越しください。
当院での取り組み
当院ではまず一般身体検査における問診・聴診による心音・肺音の確認を行います。また触診にて心臓の拍動(スリル)の確認、視診にて舌粘膜の色を確認いたします。心臓病の有無はここまでで大部分が判断できると思います。この様な一般身体検査を行った上で胸部X線検査にて心臓疾患の可能性について評価を行います。なお当院獣医師によるX線読影による診断が困難な場合、当院が提携している放射線科画像診断専門医(新潟動物画像診断センター・坂大先生)の診断を仰ぎます。その後胸部超音波検査にて心臓病についてさらに詳細な診断を行います。
また循環器疾患の末期症状でよく認められる循環不全による肺水腫で呼吸困難を引き起こしている症例に対してはICU装置にて酸素濃度を高めた部屋で呼吸状態を安定させ、緊急治療にて呼吸不全を改善する治療にも積極的に取り組んでおります。また当院では対応できない循環器外科に関しましてはJASMINEどうぶつ循環器病センターなどに紹介を行なっております。